カナダのケベックで開かれているユネスコの世界遺産委員会で日本が申請していた『平泉の文化遺産(岩手県)』が登録見送りになった。
2008年の遺産候補は47件、審査件数に対する登録数は年々低下、審査は厳格化しているようです。

カンボジアが世界遺産に遺産登録を申請している『Phrea Vihear(プレアビヘア遺跡』。
こちらはほぼ登録が決定しそうな様子です。
このプレアビヘアはタイとカンボジアの国境にある山の山頂にあるクメール遺跡で、タイ語では『カオ・プラヴィハーン』と呼ばれています。

国境に位置する遺跡だけに、領有権をめぐってカンボジアとタイは長年争いを続けてきましたが、1962年に国際司法裁判で『プレアビヘアはカンボジアに属する』と裁定されました。
このような判決がくだったからには、カンボジアの遺跡と言っていいのだろうが、やはり領土問題というのは難しい問題で、これが世界遺産ともなればなおさらのこと。タイ側は今もこの判定を受け入れずに今にいたっています。

そして今回、カンボジアがプレアビヘアを世界遺産登録に申請することになり、その際にプレアビヘア周辺の未確定な国境についてタイと協議し、タイ政府は6月17日に国境画定を認可したのですが、詳細を明らかにしませんでした。
これに対して野党側はカンボジアでのビジネスの利権と引き換えにカンボジア側に有利な国境画定に譲歩したのではとバンコクでは抗議集会などが開かれ大きな問題となっていました。

明日には確定するであろうプレアビヘアの世界遺産登録の結果。

何千年も昔からタイとカンボジアは領土争いを続けているが、国境という境い目をが存在する以上、これからもどこの地においても同じことが繰り返されていくのでしょう。

『世界遺産』とは世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約に基づいて、遺跡や景観、自然など人類が共有すべき普遍的な価値をもつもの。

アンコール遺跡群も1992年に世界遺産に登録されている。
人類が共有すべき価値のある大切なものを、カンボジアがカンボジアの宝として大切に保護し、そのすばらしいクメール文明の誇りを忘れずに、次の世代へ引き継いでいってほしいと心から思います。