先日、シェムリアップの国会議員のナム先生にちょっと相談事があったので、朝早く彼が毎朝通っている食堂に会いに行きました。

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カンボジア定番朝ごはん、豚ご飯

この先生は、シェムリアップにいるときは必ず毎朝この食堂(といっても、屋台に毛の生えたようなお店・・・屋台にかろうじて屋根と壁があるみたいな・・・)で2.3時間コーヒーを飲みながら、トゥクトゥクドライバーのおじちゃんとかそこらへんにいる住民の人たちと雑談を楽しんでいるという、とってもざっくばらんで気さくな方です。
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(参考写真)

私が行った時もトゥクトゥクドライバーのオジサンたちとおしゃべりをしていましたが、こっちに座れ座れと隣の席を空けてくれて、「朝からスレイ・スァー(美人)が来てくれたぞ!」とリップサービスも忘れません^^

私たちが話をしているところに、70過ぎくらいのおじいちゃんが先生に会いにやってきました。
おじいちゃんは、「先生、私に10分だけ時間をください」と言ってお店の中に入ってきて大きな声で話を始めました。これがまさに演説。先生にこっそり相談するのではなく、お店にいるみんながおじいちゃんの話をワイワイガヤガヤ聞いていました。こういうのがカンボジアっていいなぁって思うことのひとつ。

おじいちゃんの相談というのは・・・・・・

先日のカンボジア正月の時にフンセン首相がシェムリアップに来て、今までアプサラゾーンだったキョンギューエリアの一部を、突如首相の鶴の一声でアプサラゾーンではなくして村人に分け与えてくれたけれど、いま巷の噂では、今度は西バライエリアもアプサラゾーンではなくなるという話がでている。
自分は西バライエリアのアプサラゾーン区域内に土地を持っていて、もしそこもアプサラゾーンでなくなるのであれば、土地を売却してお金にしたい、だからナム先生に本当に西バライエリアもアプサラゾーンじゃなくなるのか真偽を確かめたいと。
そしてさらに半年前にお医者様から癌で余命2年だと云われたと元気そうに病気の話も披露してくれた。

おじいちゃんの相談に対するナム先生の返しが私はなんかいいなぁと思った。

「あと1年半しか命がないなら、土地のことなんか考えるのはやめなよ。お金の心配をしていないで、人生を楽しみなよ。お金はあっちに持っていけないよ。若いきれいなお姉ちゃんと遊ぶほうが楽しいよ。」

若いお姉ちゃんというくだりは冗談ですが(いや、本気?!笑)、

あと1年半、土地が売れるかどうかお金が入るかどうかを心配して過ごす毎日がいいのか、今あるものを楽しむ毎日がいいのか、それは人それぞれ。
私は今を楽しめる生き方ができたらいいなぁ。。。

いつ死ぬかわからないのにお金の心配するより、きれいなお姉ちゃんとでも遊んで毎日楽しく生きろ。という言葉にそこにいたみんなが大笑い。おじいちゃんも大笑い。

そしておじいちゃんは土地の話をした後は、自分の病気自慢?を延々と語り、次は自分の娘たちはシンガポールで学校を出て今は向こうで家庭を持っていて仕事もバリバリしているだとか、身の上話をひとしきり話して颯爽と帰っていきました(笑)ただおしゃべり相手がほしかっただけだったような。。。。

とにもかくにも、楽しく生きようって本当にいい言葉だなぁと。

お金のことを心配するよりも(もちろん日々の生活にお金は不可欠なことはよくわかっているけれど)、お金に振り回される人生じゃ面白くない。
今を楽しむ、カンボジアの人って今を楽しむのが私たちより上手な感じがする。

将来を心配しないで今しか考えていないって悪く捉える見方もあるけれど、先のことなんて誰もわからないし、どんな著名な経済学者でもこれからの社会がどうなっていくのかを100%予測するなんて無理なわけで、5年先の未来だってわからないのだし、言葉には語弊があるかもしれないけれど、今を楽しんで生きられなければ未来も楽しくないんじゃないかと思う。
老後のために今を生きるのではなく、今この瞬間のために今を生きたいな。